【障害者雇用】強迫性障害とは何?治療方法についても解説!
2022/12/01
強迫性障害という障害を聞いたことがありますか?
精神疾患の一つですが、仕事をするのが難しくなる方もいます。
この記事では
- 強迫性障害とは何か
- 強迫性障害の症状やサイン
- 強迫性障害の治療法
について解説します。
強迫性障害とは何か
強迫性障害とは、自分でももう問題ないと思っていても、不安が強く、気になることが頭から離れず、何度も同じ確認を繰り返してしまうことがある障害です。
「玄関の鍵はちゃんとかけたかな」
とか、
「家のガスはきちんと消しただろうか」
という不安があると家に帰って確認した経験がある方は多いと思うのですが、強迫性障害では、それが度を越した不安やこだわりになってしまうのです。
意思に反して不安なことが頭に浮かんでしまうと、もう払いのけられず、何度確認しても安心できないため、確認行動を繰り返したりします。
また、手を不潔に思い、過剰に手を洗うという行動に出る人もいます。
強迫性障害は不安障害の一種です。ガスを消したか気になると、何度も何度も確認しても安心感を得られず、確認行動が止まらなかったり、手が不潔だという不安に駆られたら、何時間も手を洗い続けたり、肌荒れするほどアルコール消毒を繰り返したりなど、明らかにやりすぎという行動をします。
WHOの報告では、生活上の機能障害を引き起こす10大疾患の一つとされています。
強迫性障害の症状やサイン
強迫性障害には、強迫観念と強迫行為の2つの症状があります。
強迫観念とは、不安だと思ったことが頭から離れず、自分でもその考えが自分でも不合理だと思うのですが、頭から追い払うことができません。そのため、ずっと不安が続きます。
強迫行為とは、強迫観念から生まれた不安を解消しようとして行う行為のことです。
自分でも、「これはやりすぎだ」と思っても、止めることはできません。
代表的な強迫観念と強迫行為
強迫性障害の代表的な強迫観念と強迫行為をご紹介します。
不潔恐怖と洗浄
汚れや細菌汚染の恐怖から、手が荒れるほど手を洗ったり、入浴、洗濯を繰り返してしまいます。また、ドアノブやバスの手すりなどが不潔だと感じてしまって、さわれないということもあります。
加害恐怖
自分が誰かに危害を加えてしまったかもしれないという恐怖に駆られることです。不安から新聞やテレビを確認したり、警察や周囲の人も巻き込んで確認行動をしてしまうことがあります。加害を加えたらどうしようという不安から行動に起こせない、仕事ができなくなるということもあります。
確認行為
玄関の鍵を閉めたか、ガスをきちんと消したかが不安で過剰に確認行動をしてしまうことです。何度も同じ確認を繰り返したり、指差し確認をしたり、手で触って確認したりなどをします。
儀式行為
自分で決めた手順で物事を行わないと、恐ろしいことが起きるという不安を抱えて、どんな時でも自分の決めた手順で行わなければならないという症状です。
数字へのこだわり
不吉な数字、幸運な数字に過剰にこだわる症状です。
物の配置、対称性などのこだわり
物の配置にこだわりがあって、少しでもずれていたら我慢できない症状です。
強迫性障害の治療法
強迫性障害の治療には、認知行動療法と薬による治療があります。
認知行動療法
再発予防効果が高い、「暴露反応妨害法」が代表的な治療法です。
強迫観念を感じても、いつも行う行動を我慢して行わないという行動方法です。
汚いと思うものを触っても、手を洗うのを我慢したり、鍵をかけたか不安になっても確認しないなど、確認行動を我慢します。
こうした課題を続けていくと、強い不安を抱えても何も起こらないということを学び、強い不安が弱くなってきて、強迫行為をしなくても済むようになると期待されます。
薬による治療
内服による治療も併用して行われることが多いです。
強迫性障害の方は、強迫症状や抑うつ、不安感が強いので抗うつ剤を内服し、状態を安定させます。
長期間の服薬が必要ですが、最初は少量から始めて、調整していきます。
治そうという意識を高める
患者さんが治療方針の決定に関わることで、「治そう」という意欲を高めることも効果的です。
医師からの十分な説明を聞き、病気や治療のことを理解できるように、しっかり説明して貰えば、治療に納得して治す意欲につながります。
まとめ
この記事では
- 強迫性障害とは何か
- 強迫性障害の症状やサイン
- 強迫性障害の治療法
について解説しました。
治療は個人によって違います。
主治医と相談しながら治療を進めていってください。